ISDN 導入記.targz

この記事は、1996年にわたしが ISDN 回線 (INSネット64) を導入したときの記録です。申し込み時点からリアルタイムで執筆していました。ADSL や光回線が普及した現在では古い記事ですが、こういう時代もあったという記録を兼ねて残しておきます。

ISDN活用編

ISDN導入から1か月経ちました。導入当初には分からなかった長所・短所が見えてきましたので、レポートしてみたいと思います。


ISDNのメリット〜高速性と安定性〜

ISDNのメリットとしてまず挙げられるのは、ディジタル回線による高速性と安定性だろう。アナログ回線でモデムを使用すると最大28.8K〜33.6Kbpsまでしか出ないが、INSネット64の場合は64Kbpsの速度まで出る。マルチリンクPPP通信 (MP通信) すれば128Kbpsまで可能だ。

高速性は魅力だが、本当にそこまで高速な通信ができるのだろうか、という疑問が出てくるだろう。実際のところは、そこまで高速な通信は無理である。最近のインターネット回線は混雑しているので2K〜4KB/sec (=16K〜32Kbps)が関の山だ。運が良くても5〜7KB/sec (=40K〜56Kbps)程度しかでない。ただし、自分のプロバイダへのアクセスであれば6〜8KB/secのレートが出る。つまり、メール/ニュース受信やプロクシサーバへのアクセスでは高速性を実感できる。

別の意味の高速性もある。ISDNでは、プロバイダへ接続が早いのだ。電話回線が繋がったら数秒でユーザー認証まで終わる。しかも、無音で静かに繋がる。これは大変気持ちいい。モデム接続では、電話回線が繋がってから「ピーピーガーガーピシュンピシュン」のやりとりをするのでユーザー認証完了まで30秒ほどかかる。モデム接続ではこの30秒分の電話代をみすみす損しているのだ。

ISDNはディジタル回線なので安定性は抜群だ。アナログ回線であればときどきエラーが発生してデータの取りこぼしがあるが、ISDNならそんなことはない。大きいファイルをFTPで転送するときも途中で切れず安定している。「安定性」は結構見逃されているが、重要なメリットである。

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ISDNのメリット〜2回線同時通話〜

ISDNのメリットとしてもう一つ挙げられるのが多回線の同時通話ができることだろう。INSネット64ならBチャネル (通話チャネル) が2本あるので、1本をインターネット接続に使い、もう1本を電話に使うことができる。さすがにインターネットに接続しているときに電話を掛けることは少ないが、逆に電話を受けることができるのは便利である。いつでも電話が受けられるので、インターネットへの接続も気兼ねなくできる。

アナログ回線では「キャッチホンII」を使えばインターネット接続中に電話がかかってきてもメッセージを捕らえることは可能だが、メッセージを受け取れるのはインターネットへの接続を切ってからになる。これではあまり便利ではない。2回線使えるINSネットの方がはるかに便利である。しかも、フレックスホンの契約をすればコールウェイティング (加入電話におけるキャッチホン) や三者通話など高度な機能も利用できる。

また、電話とインターネットの同時利用ができることを利用すれば、通信ソフトの使い方を電話で教えたり、CU-SEE-MEのためにIPアドレスを電話で伝えたりと高度な利用法が考えられる。

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ISDNのメリット〜その他〜

ほかにもISDN (INSネット64) のメリットがある。

通話料金と通信料金を区別して料金計算するので、インターネットに使用した電話代 (=通信料金) がはっきりと分かるのである。わたしは、加入電話のときには「利用明細」をもらっていちいち計算していたが、そんな手間は不要になった。

家庭では、2つのアナログポートを1階の電話機と2階の電話機に割り振れば、2つの電話機が別々で使えるようになって使いやすくなる。1階で受けた電話を2階に転送することもできるし、内線通話機能を使えばインターホンにもなる。

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ISDNの弱点

逆に、ISDNの弱点も多い。あまり宣伝されないので気が付きにくいが、次の点が弱点となる。

停電時に電話できない
アナログ回線 (加入電話) では停電しても電話が使えるが、ISDNでは停電するとTAが死んでしまうので電話が使えない。ただし、電池内蔵で停電に対応したTAを使えば解決する。
どうせ、地震などの大災害が起きたら電話も不通になるので、わたしは気にしていないが。
電話料金割引サービスが少ない
テレチョイス・テレワイズ・テレジョーズは利用できない。テレホーダイは600円アップの2400円 (INSテレホーダイ) になる。わたしは市外通話をあまり使わないので、気にならないけど。
基本料金が月額2830円と高い
2回線使えるし、プッシュ回線使用料やキャッチホン使用料が不要なことを考えれば、そんなに高いことはないと言える。
電話番号が変わることがある
これにはやられました。わたしの場合は電話番号が変わってしまった。各所に電話番号変更届を出すのは面倒だ。

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「まるちねっとあい」について

NTTのISDNユーザーサポートとして「まるちねっとあい」がある。ユーザーサポートと言うより、ユーザーグループみたいなものだ。ISDNの契約者やISDNに興味のある人を対象に、オンラインマガジンや情報冊子を配布してくれる。利用料金は一切かからないので、この機会に入会してみてはいかがだろうか。詳しくは運営事務局 (0120-64-0892) に電話するか、mneti@mbd.ntt.jp (現在は無効なアドレス) にメールしてみよう。

入会者には、オンラインマガジンにアクセスするためのアカウントをもらえる。しかし、アクセス用ソフトをインストールしたら、接続用の設定 (PPP Preferences) がすべて上書きされて既存の設定が消えてしまいました。これは頭にきました。しかも、上書きされた PPP Preferences は FreePPP 2.5 と相性が悪いので、オンラインマガジンにもインターネットにもうまく接続できません。困ったものです (NTT では対応中らしいが) 。結局、アクセスソフトをすべて削除して元に戻してしまいました。

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最後に

1か月ISDNを使ってみたが、ISDNの長所がかなり分かりました。64Kbpsの高速通信よりも、プロバイダへのすばやい接続、ディジタル回線の安定性、それに2回線の同時利用の方が有用であることがはっきりしました。これらの長所は実際に使ってみないと実感できないかもしれません。

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